【完】愛して...
「それにしても、発情期状態には見えませんが?」
翠が不思議そうに聞いてくる。
「あぁ。発情期は触って欲しくて辛いそうだ。椿に聞いたら、達させるか、眠らせればいいって言ってたからな...」
そう、翼が言ったあと、
「翼君が達させたそうやで?ずるいよなぁ?」
と、椿が翼の頬をツンツンしながら言う。
「達させた!?」
依が声を大にして叫ぶ。
「お、お前達されたのか!?」
夜もなんだか焦っているようだ。
「翼さん?どういうことですか?」
「...尊、大丈夫か?」
眼鏡の奥の翠の目が怖い。
奏は心配したように私を覗きこむ。
『??...うん。』
「そんなにかっかせんと、落ち着きぃや。」
「そうだ。達させたといっても、俺は尻尾しか触ってないぞ。」
そうだ。
「それにや、発情期状態は1週間続くんやで?しかも猫は夜行性。夜になったらまた発情してしまうんや。」
と、ビックリな情報をさらりと言う椿。
え、そうなの!?
夜になったらまた辛いのが始まるの?
「...とりあえず、飯だ。」
あおがそう言い、私を抱っこしたままリビングへと向かった。