悪魔の囁きは溺愛の始まり
週末はずっと蒼大さんと過ごしていた。

そして週明けの今日―――


「青山さん、見たよ。」

「えっ?」

「昨日、都内のショッピングモールでデートしてたでしょ?凄くイケメンの彼氏と。」


出社するなり声を掛けられた。

それも昨日蒼大さんと出掛けたショッピングモールでの目撃情報だ。

チラリと隣の席の渡部さんを見れば、話が聞こえていたみたいで私を見ている。


「誰?彼氏でしょ?」

「えっ?あっ、うん、まあ。」

「青山さん自身も美人だから目立ってたよ。」

「いやいや。私じゃなくて、彼が目立つだけだよ。」

「青山さん、今度、彼氏のお友達と飲みたい。」

「えっ?」

「合コン。ダメ?」


同じ部署の先輩が強請るように私を見ている。

私は困惑しかない。

彼の友達と?

蒼大さんにお願いするの?

脳内でパニックに陥りそうだ。


「青山、仕事しろ。濱田も邪魔するな。」

「渡部くん、ヤキモチ?なんなら、合コンする?」

「青山が参加するなら行く。」
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