悪魔の囁きは溺愛の始まり
蒼大さんが肩を抱き寄せてきたので、自然と凭れ掛かる形になってしまう。

頭にキスを落とす蒼大さんは甘甘モードだ。

凄く愛されているのを実感する。


「一花、早く一緒に暮らそうな。」

「………無事に終わったら。」

「だよな。俺もまた忙しくなりそう。」

「お互いに頑張ろう。」


あの日、蒼大さんが私に宣言した通り、過去の女は一切現れなくなった。

他の女と私は同じじゃない………と蒼大さんが伝えてくれる。

だから不安な気持ちはいつの間にか消えていた。


「年末、ハワイに行かないか?」

「えっ?」

「年末は休みだろ?」

「蒼大さんも休みが取れそうなの?」

「取れる。」


突然の申し出に少し戸惑ってしまう。

こんなに早くに蒼大さんとハワイに行くつもりはなかったから。


「一花、行かないか?」

「………いいよ。」

「何だよ、その間は。」

「あまりにも急だから。まあ、ハワイのお店も見て回りたいし。」

「完全プライベートで行くぞ。」


クスリと笑う蒼大さんは幸せそうに見えた。
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