悪魔の囁きは溺愛の始まり
あれこれ考えてはいたが、お互い忙しい毎日に蒼大さんと会う日も減っている気がする。

大きく深呼吸をしながら休憩室の椅子に座った。

ここ最近は忙しくて体も疲れてきている。


「青山、大丈夫か?」

「渡部さん、お疲れさまです。」

「何でも相談しろよ。一人で抱え込むと遅れの原因にもなるからな。」

「はい。」


隣に渡部さんが腰掛けた。

暫くの沈黙が流れ、先に口を開いたのは渡部さんだった。

私の方には向かず、真っ直ぐと前を向いたまま話を始めた。


「青山、次のプロジェクトでは俺の配下から外れるみたいだ。」

「えっ?」


思いもよらない言葉が聞こえてきた。


「次のプロジェクトメンバーに青山は入ってなかった。」

「えっ?どうしてですか?」

「俺も分からない。ただ上が決めた事だ。」


渡部さんをじっと見つめていれば、渡部さんの視線も私へと向けられる。

沈黙が流れる中、私達の視線は逸らされない。


「俺の失言だな。」


ポツリと渡部さんが呟いた。
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