悪魔の囁きは溺愛の始まり
「んん~。」

「ははっ。」


ん?

目をゆっくりと開ける。

目の前で蒼大さんが笑ってる。


「一花、起きた?」


起きた?

私、寝てたの?

ゆっくりと目だけ動かして見渡す。


「一花、ハワイへ来たの覚えてる?」

「………うん、そうだった。ごめん、寝ちゃったみたい。」

「俺が先に寝たんだろ。」

「ふふっ、そうだった。」


いつの間にかベッドの上で寝ていたようだ。

蒼大さんが私を抱き締めて寝転んでいる。


「ん~、食べに行く?」


体を起こして伸びをしたが、蒼大さんに腕を引っ張られてベッドに逆戻りした。

私の上に乗る蒼大さんを見上げる。


「蒼大さん?」

「一花、お腹空いてる?」

「えっ?蒼大さんがお腹空いたって。」

「俺は目の前の誘惑に勝てそうにない。」

「………。」


凄い事を言われた気がする。

絶対に顔が真っ赤になっている気がする。
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