悪魔の囁きは溺愛の始まり
ワイキキのニューイヤーズ・イブの日は賑やかだ。

ビーチでも夜にはイベントが目白押しだし、私達もその中の一人で凄く楽しみにしている。

今年も終わりか。


「来年も一緒だよね。」


口から溢れた言葉に我に返り、蒼大を見上げた。

目と目が合えばニヤリとされてしまった。


「何?一花は俺と一緒にいたいんだ。」

「………悪い?」

「嬉しい。俺も一緒にいたい。」


ニヤニヤの蒼大から視線を逸らした。

『大好き』と告白してるみたいで恥ずかしい。


「一花、今年も終わりだ。」

「うん。まさか年越しを蒼大と過ごすなんて思ってもみなかった。」

「出逢ったが最期。俺からは逃げられない。」


再会した日は悪魔のような囁きでも、今は甘い囁きに聞こえる。

それだけ蒼大を好きになってしまっているんだ。
< 185 / 200 >

この作品をシェア

pagetop