悪魔の囁きは溺愛の始まり
手を繋がれてビーチを歩く。

チラチラと視線を感じるのは隣を歩く蒼大さんのせいだろう。

見た目はイケてるのは認める。だけど馴れすぎた行動に若干牽いている自分がいる。


「お待たせ。」


蒼大さんが悠祐さんと『お薦め』の話をしている。


「おっ、あれか。蒼大が好きなヤツだ。」

「旨いだろ。」

「ハワイでは定番だな。」


悠祐さんが蒼大さんと話す姿を見て、私は波羽の隣へと腰掛けた。


「花、意外といい感じ?」

「そう?波は楽しんでる?」

「まあ。花なんて手なんて繋いで雰囲気が出てるよ。」

「何の雰囲気よ。」


波羽が茶化すのを笑ってスルーする。ちょうど、海からは琴音達が上がってきていた。

琴音達も手を繋いで雰囲気がいい。

私と蒼大さんも琴音達のように見えてるのかもしれない。


「ねぇ~、花、波、夜ご飯を彼らと食べない?春馬さんは予定ないって。」


盛り上がり絶頂の琴音が嬉しそうに駆け寄ってきた。

波羽と目で合図をする。こんな楽しそうな琴音の邪魔はできない。


「いいよ、彼らが良ければ。」
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