悪魔の囁きは溺愛の始まり
二人で海へと向かう。

その手はしっかりと繋がれている。

傍から見ればカップルだと思われるだろう。


「おっ、いたいた。」


波羽、琴音が楽しそうに笑っていた。二人の笑顔を見れば、旅行を楽しんでいるのが分かる。

今はバカンスを楽しむ。これが一番の目的だと思った。


「花!」


私と蒼大さんに気づいた琴音が大きく手を振る。他の皆も私と蒼大さんに気づいたようだ。


「蒼大、説得できたのかよ。」

「蒼大、ヤるな。」


春馬さんも悠祐さんもニヤニヤと蒼大さんを見ている。

私達は滞在期間を一緒に過ごす事にした。

波羽も琴音も彼らと過ごす日々を楽しんでいたし、私も彼らと過ごす日々を楽しんでいた。

その中でも私と蒼大さん、琴音と春馬さん、波羽と悠祐さんはペアみたいな感じになっていた。

そんな楽しい日々もあっという間に終わろうとしていた。

一週間の旅行なんて本当にあっという間だ。


「花は明日帰国?」

「うん。」

「明日の何時に空港?見送る。」

「えっと15時の便。」

「15時………。」


考え込む蒼大さんを見つめる。ふと視線を私に向けた蒼大さんの視線が交わる。
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