悪魔の囁きは溺愛の始まり
蒼大さんに嘘の時刻を教えた。これは私のケジメだ。

『バカンスの恋は幻』

そう自分に言い聞かせる。


「花、今日の夜は二人でディナーでも行く?」

「うん、いいよ。」

「明日のブランチはどこにする?」

「蒼大さんのお薦めで。」

「考えておく。」


笑みを浮かべる蒼大さんに心が痛む。でも終わりにしなければならない。

一度、コンドミニアムに帰った私は、波羽と琴音には話した。

今日は蒼大さんと過ごすから朝一番でコンドミニアムに帰ってくる事を。


「花が一番ラブラブになったね。まあ、私も楽しんだけど。」

「蒼大さん、花しか見えてない感じだったし。まあ最後の夜は楽しんで。」


荷物整理をし、二人に見送られた私は蒼大さんとディナーに出掛けた。

蒼大さんお薦めのディナーはレストランのテラス席で楽しんだ。

二人で料理を楽しみ、テラス席から見える景色、色々な話で盛り上がった。

本当のカップルだと誰もが思うだろう。
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