悪魔の囁きは溺愛の始まり
目の前に立つ蒼大さんを見上げる。

鋭い視線を向けている蒼大さんは、きっと私に幻滅した筈だ。


「私なんて2度と見たくない?なら、プロジェクトは外して貰うから。だから契約は切らないで。」

「………。」

「蒼大さん、いえ、岡崎部長が私を見たくなければ外して貰うから。だから……。」

「一花にはそのまま続けてもらうし、契約は切らない。」


遮られた言葉に口を噤む。真っ直ぐに突き刺さる冷たい視線を見つめ返す。


「それと一花には責任を取ってもらう。」

「責任を?」

「ああ。今日から俺の彼女になれ。」

「………彼女?待って、私は………。」

「騙した女。その責任を取ってもらう。俺の彼女として俺に尽くせ。」

「………意味がわからない。私なんて2度と一緒にはいたくない筈でしょ?なのに彼女なんて。」

「騙した代償は俺に尽くす事だ。」


顎を掴まれて体をビクリと揺らせば、目の前にある蒼大さんの顔が愉しそうに笑みを浮かべた。


「楽しみだな、一花。」
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