悪魔の囁きは溺愛の始まり
運転席を見れば、チラリと私を見た蒼大さんと目が合う。


「本命の彼女がいるからでしょ?っで、私は復讐の為の浮気相手?」

「………。」

「ふ~ん、図星。」


胸がチクリと痛んだ。

自分で言っといて、やっぱり浮気相手なんだとショックを受けていた。


『本命の彼女がいるんだ………』


車窓から流れる夜景を見つめる。

『何でこんなに悔しいんだろうか』

『浮気相手だと分かって、プライドが傷つけられた?』

そんな事を考えていた。

静かな車内。

見慣れない景色だけが私の目に映っていた。


「到着。行くぞ。」


蒼大さんが降りるのを確認して、私も車から降りたれば、蒼大さんに手を繋がれた。

思わず――――


「俺の彼女だろ?」


振り払おうとしたが先に行動を読まれていたみたいだ。私は大人しく手を繋いで店内を案内された。

ちらちらと視線を感じるのは蒼大さんが目立つからだろうか。

そんな事を考えながら予約されていた個室に案内された。
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