悪魔の囁きは溺愛の始まり
目を閉じて、大きく息を吸い込み深呼吸を繰り返し、閉じていた目を開けた。


「考えてた。私と蒼大さん、この先も上手く付き合っていけるのかって。」

「………。」

「恥ずかしくて言いたくないけど言うね。」

「ああ。」

「蒼大さんと過ごした日から、誰とも恋愛してない。だからずっと彼氏もいなくて恋愛経験値も低い。」


私の話に何故かニヤニヤする蒼大さんに眉間の皺が寄っていく。


「何?そのニヤニヤした顔は?」

「嬉しくて。ずっと彼氏いなかったんだろ?」

「………そうよ。だから恋愛経験値の高そうな蒼大さんと………。」

「俺も。」


私の言葉を遮り、蒼大さんが話に割り込んできた。

キョトンと蒼大さんを見る。

俺も?


「俺もいない。」

「…………。」

「だから俺もずっと彼女はいない。あの日からずっと………一花が忘れられない。」


思いもよらない告白に固まる。

いやいや本当に?

女が放っておかないでしょ。
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