悪魔の囁きは溺愛の始まり
蒼大さんの強引さはここ数日で理解しているつもりだ。

言い出したら退かないだろう。

だから――――


「しないから。」

「はっ?」

「一緒に寝てもしない。」


キョトンとする蒼大さんを真剣な眼差しで見る。ニヤリとし始める蒼大さんに嫌な予感がする。


「期待した?」

「してない。」

「キスはする。」

「………。」

「それでいい?」

「………いいよ。」


ニヤニヤの蒼大さんに眉間の皺を寄せた。

何でニヤニヤしてるのか分からない。


「明日、泊まりだよな?」

「いいよ。」

「なら、家で飲むか。」

「いいよ、それで。」

「なら帰ってから片付けるか。よし、食べたら送る。」


嬉しそうに明日の準備をする蒼大さんに笑みが溢れる。

凄く楽しそうだから。

私と一緒にいたいと伝わってくるから。


「折角だし、2日泊まりだな。日曜に送る。」


相変わらず強引だな。

私は再会したばかりの蒼大さんと休日を過ごす事になった。
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