悪魔の囁きは溺愛の始まり
「早起きしたし、何処かに出掛けないか?」


蒼大さんの申し出に大きく頷いた。

空を眺めれば、お出掛け日和だ。


「行きたい。」

「折角だし、遠出するか。今日も泊まれるだろ?」

「えっ?あっ、うん。」

「決まりだな。よし、中でコーヒーでも飲むか?」

「うん。」


蒼大さんに手を引かれて、リビングのソファーに案内された。

色々と尽くしてくれる蒼大さんに段々と申し訳なくなってきた。

私がここにいると、蒼大さんはゆっくり出来ない気がする。


「蒼大さん、手伝うよ?」

「いや、ゆっくりしてて。ゴミも捨てるだけだし、後で洗うから。」

「蒼大さんもゆっくりしてよ。」

「コーヒーを淹れたら、一花の隣でゆっくりする。」


蒼大さんが昨日の片付けもしてくれた。その上、朝のコーヒーとパンまで用意してくれている。

座ってるだけで本当に申し訳なくなる。

でも勝手に蒼大さんの家のキッチンを使うとか図々しい気もする。
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