悪魔の囁きは溺愛の始まり
蒼大さんの運転で高速に乗り、本当に少し遠くに出掛けた。


「蒼大さん、どこに行くの?」

「俺、一花にもう一度出逢えたら行きたい場所があったんだ。」

「…………どこ?」

「一花に見せたいモノがある。」

「見せたい?」

「そう。」


蒼大さんはそこまで話すと無言になった。私も窓からの風景を眺めていた。

どうやら鎌倉方面に向かっているようだ。

都会の街中の風景とは全然違う、穏やかな時間が流れていそうな風景と変わってきた。


「鎌倉?」

「そう。少し散歩しないか?」

「うん。」


目的地は鎌倉のようだ。休日には観光客で凄い賑わいを見せている。

混雑する駐車場に停めて歩いて回るようだ。


「凄い人だね。」

「鎌倉は観光客が集中するからな。」

「ふふっ、蒼大さん、私達もだよ。」

「ははっ、そうだな。」


私達は観光客に紛れて色々と見て回る事にした。勿論、私達の手はしっかりと繋がれていた。
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