悪魔の囁きは溺愛の始まり
家族連れ、友達同士、勿論カップルも本当に大勢の人混みで溢れていた。

歩き疲れるほど色々なお土産を見たり、行列のお店に二人で色んな会話をしながら並んだ。

その中でハワイで一緒に過ごした友達の話題が出た。


「ハワイで一緒にいた友達……、えっと………。」

「波と音?そう言えば、マリンコーポレーションのリーダーって………。」

「春馬。覚えてる?」

「あああ~、見たことあるかもって思ったんだよね。雰囲気が違うから分からなかった。」

「春馬は気づいたみたいだけど。」

「見られてたから………春馬さんか。」


初めてプロジェクト会議に訪れたマリンコーポレーションのリーダーがじっと私を見ていたのに納得した。

数年も前なのに何で分かるんだろ?

そんなに変わってないのか?


「俺の携帯にはハワイでの写真が入ってるから。春馬もそれで気づいたんだろ。」


心を読まれてしまった。


「っで、波ちゃんと音ちゃんは元気?今度、皆で遊ばない?」

「あっ、うん、聞いてみる。でも二人とも彼氏いるから口説かないでよ。」


そう、波羽と琴音には彼氏がいる。
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