悪魔の囁きは溺愛の始まり

たった一週間だから………

私達はずっと一緒には過ごせないと思い込んでいたし、蒼大さんの何かを企んでいるような胡散臭い笑みが私の心を不安にさせていた。

『ひとときの恋』が本物の恋に生まれ変わるなんて思わなかった。


「一花、俺達が再会して一週間だな。」

「うん、そうだね。」

「来週も再来週も………来月も再来月も……来年もずっと過ごせるよな？」


蒼大さんの不安げな声、私を見つめる瞳がどんだけ傷つけたのか伝わってくる。

蒼大さんの心意を知りたくて、じっと蒼大さんの瞳を観察する。


「一花、何で俺を信用しない？」


蒼大さんの低い声が聞こえた。

鋭くなっていく瞳が私に突き刺さる。


「一花、何で俺を信用しない？」


同じ言葉が聞こえてきた。

視線を逸らさずに蒼大さんの問いに答える。


「企んでいるような胡散臭い笑みが忘れられない。」

「………。」

「ハワイで何を企んでた？その心意を知らないと完全に信用できない。」


周りで楽しそうに会話をする人達とは裏腹に、私達はじっとお互いを探っていた。