嫌いなアイツとの恋愛のやり方
その私の態度に対しても、特に何の関心を持たずに受け取った彼はそそくさと総務部を出て行く。

その後ろ姿に、思わずベーっと舌を出して見送ってやった。


「莉子ちゃん。 ……何してんの?」

私の幼すぎる反抗を見ていた上司、木戸 由香里(キド ユカリ)先輩はククッと喉を鳴らして笑っている。

「せんぱ〜いっ!ちょっと聞いてくださいよ〜 」

直属の上司で、指導係でもある先輩は私のお姉さん的存在だ。

決して甘え上手な方ではない私だが、先輩の身に纏ったオーラが優しいからなのか。

入って間もない私は先輩にデレデレだ。
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