嫌いなアイツとの恋愛のやり方
「田内さん」

またもや背後からから声が響いて、そちらに目を向けた。

「お〜 五十嵐、今から外回りか?」

会いたくない人って、よくもまぁ会う頻度が高くなるよね?

シワひとつないスーツを着こなし颯爽と現れた彼は私たちの会話に入ってきた。

「どうかされたんですか?」

「いや、ちょっとな。 会議室を抑えておこうと思ったんだけど ……新人ちゃんに門前払いされちゃって」

目の前にいる“田内さん”と言われるこの方は悪そびれる事もなく淡々と話している。
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