嫌いなアイツとの恋愛のやり方
「ごちそうさん」

溜息と同時に発した彼は、お皿に装ったカレーに付け合わせのサラダまで綺麗に平らげていた。

お皿を重ね流し台に持っていくと、徐ろに腕まくりをして洗い始めた。

「あ、置いてていいよ? 」

「さすがにそこまで図々しくはない」

図々しいというよりただ単に毒舌なだけで、むしろ今回はこちらに非があるのだけど。

彼はやはり律儀な性格の持ち主なのかもしれない。

手際良く洗い物を済ませる姿は効率も良く、仕事ができると言われるのがわかる気がした。
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