嫌いなアイツとの恋愛のやり方
「ありがとう」

そう発したのは私ではなく、彼の方で。

「いやいや、こちらこそ洗い物をまでしてもらって。せっかくの晩ご飯がこんなで本当にごめんね」

特に美味しいとも不味いとも言われなかったが。

誰が好き好んで同期の家でご飯なんか食べなきゃいけないのだと、思われても仕方ない。

そんな私を彼はなぜかジーッと一点集中して見ている。

ガン見している、と言っても過言ではない。

「……三浦さんってさ、バカじゃなくてお人好し?」
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