嫌いなアイツとの恋愛のやり方
居た堪れなくなったのか、田内さんは逃げるようにしてこの場を去っていく。

先輩だとはいえ言い逃れのできない状況にこの有様。

残念な人だったとわかってしまうのも可哀想な話だなぁ…… なんて悠長に思い老けていた。

「おい」

どす黒い声が隣から聞こえて身体がビクッと反応した。

声のする方に顔を向けると、隣の彼の表情はあまりよろしくないみたい。

「ちょっと来い」

そう言って私の腕を引っ張って非常階段へと連れて行かれた。
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