嫌いなアイツとの恋愛のやり方
まさかのタクシーから出てきた人物はマスクを着用して少し顔色の悪い五十嵐くんだった。

チラッと私の顔を見たが、特に何の反応も示さずスタスタとマンションへと入っていく。

私もそれを追いかけるようにして中に入った。

彼がエレベーターに乗ったので私も同じように乗り込む。

彼の手にはビニール袋に入った栄養ドリンクや風邪薬などが透けて見えている。

毎日残業バリバリの営業部もあろうことが、こんな時間に帰宅するってことは結構酷いのかもしれない。

余計なお世話だとは思うが勝手に口が動くのが私って奴で。
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