お見合い結婚時々妄想
結婚式まであと1ヶ月ちょっと
祥子さんとはなかなか会えない日が続いていた
電話やメールは欠かさずしていたが、やっぱり会いたかった
新婚旅行に行くにも、なんとか休みをもぎ取ったが、3泊4日しかとれなかったのに
「それなら京都に行きたいです!」
と言ってくれたので、かなりいい旅館を予約することにした
そうして、やっと会えたのは結婚式の1ヶ月前だった
仕事が忙しいので、最近外食ばかりだと言ったら
「じゃ、慎一郎さんのお家でご飯作りましょうか?外食ばかりじゃ体に悪いし……私の料理でよければですけど……多めに作って、ストックしときましょう」
と、願ってもないことを言ってくれたので、その言葉に甘えることにした
彼女のアパートまで迎えに行って、買い物しながら自分ののマンションに戻った
新居は会社まで徒歩10分程度の場所に新築マンションが建ったのでそこに住むことにした
そのマンションから、彼女が勤めている会社まで1時間近くかかるからと、彼女は躊躇いもなく会社を辞めた
専業主婦になることを望んでいたわけではなかったが
「慎一郎さんが仕事から帰って来たときに『お帰りなさい』て言いたいから……慎一郎さん、いつも私に言ってくれるでしょ?だから、お返しです」
と、こんな事を好きな人から言われて、喜ばない男がいたら教えてほしいくらいだ
多分電話じゃなかったら、息も出来ないくらい抱きしめていたに違いない
マンションに着いて、彼女は早速料理にとりかかった
僕は、引越しの荷造りがなかなか出来ないでいたので、彼女には悪いがそっちに専念させてもらうことにした
荷造りをしている最中、楽しそうに料理をしている彼女を見ていると、今日は彼女を帰したくないと思ってしまった
もう結婚式まで、会えそうにないのからというのと、男として彼女を抱きたいと思ったのだ
次の日は日曜日だったが、まだ仕事が残っていて、出勤するつもりだった
でも、どうしても我慢できず彼女に気付かれないように寝室から部下の相川に電話をかけた
「部長?どうしたんですか?今日は婚約者の方と久しぶりに会うから、絶対連絡してくるなって言ってたのに、そっちからかけてくるなんて……」
相川は休日出勤していた
今忙しいのは、分かってはいたが、どうしようもなかった
「相川悪いが、明日会社に行かないとダメかな?」
「え?いや、どうしたんですか?……あぁ、婚約者の方と過ごしたいんですね」
「ああ、すまない」
「……しょうがないですね。急ぎの書類は自宅の方にメールしておきます。絶対目を通しておいてください。月曜日のKカンパニーのプレゼンの資料ですから」
「分かった。悪いな相川。今度埋め合わせするから」
「期待しときます。結婚式まで、もう会えないんでしょ?思いっきりいちゃついてください。それじゃ、月曜日に」
電話を切ってほっとしていると、祥子さんが部屋のドアから顔を覗かせていた
「料理大体出来たから、荷造り手伝おうと思ったんですけど……もしかして、仕事の電話でした?」
これから会社に行ってしまうと思ったのか、ものすごく悲しそうな顔をさせてしまった
そんな顔をさせたくないのに……
慰めるように祥子さんを優しく抱きしめた
「違うんだ祥子さん。明日も休んでいいか?って部下に電話してただけだよ」
「明日?」
「ねえ、祥子さん。今日は家に泊まって行かない?」
「……え?」
「もう結婚式まで会えそうもないんだ」
「そうでしたね」
「ごめん、結婚するまで我慢出来そうにない」
祥子さんの体が少し震えたが、気付かないふりをした
「……明日、会社には?」
「行かなくてもよくなったんだ……無理強いはしな……」
僕の背中に祥子さんの手がゆっくりまわって、僕の服を握りしめた
僕は祥子さんを強く抱きしめ、ベットに押し倒して、息が出来ないくらい激しいキスをした
唇が離れて祥子さんを見つめた
瞳が潤んでいて、それがまた僕の気持ちを高ぶらせた
そして、思わず聞いたのだ
「祥子さん、僕は君との家族が欲しいと思ってる。だから、避妊はしないけど、君はそれでいい?」
また、考えるより先に口が動いた
こんな状況でこんなこと聞くなんて、自分でも信じられなかった
でも、祥子さんは優しく微笑んで僕を抱きしめてくれた
僕は祥子さんの首に顔を埋めて涙をこらえるので精一杯だった
その時初めて気がついた
僕は温かい家族が欲しかったのだと
中学1年生の時に両親が離婚して、うちは普通じゃないとどこかで思っていた
だから今、祥子さんと一緒にずっと欲しかった家族を作る事が出来る……
結婚に夢も希望も持ち合わせていなかった僕に祥子さんはそれを与えてくれた
「祥子、ありがとう。絶対に幸せにするから」
そう言って、祥子を初めて抱いた
本当に愛している人と抱き合うと言うことは、本当に幸せで満たされることだと初めて知った
一度抱き合ったあと、一緒にシャワーを浴びて、ちょっと遅い晩御飯を食べた
祥子の手料理は予想以上に美味しくて、結婚したらこの料理がいつも食べられるのかと思うと、嬉しくなった
そして夜はまた抱き合って、次の日はまだ終わってなかった荷造りを2人でして、いっぱいしゃべって、笑って、楽しく過ごした
それから結婚式までの間は、僕は新居に引越し、祥子は
「式までは母と一緒にいたいと思って」
とアパートを引き払って、実家で生活していた
時々、僕の父にも会いにいっているようで
「本当にいい子だなぁ。よかったなぁ慎一郎」
と電話でしみじみ言っていた
そして、結婚式当日
初めてウェディングドレス姿の祥子を見た
本当に綺麗だったので、思わず息を飲んだ
「慎一郎さん。タキシードものすごく似合ってる」
「祥子も似合ってるよ。ものすごく綺麗だ」
「ありがとう。……ねえ慎一郎さん?」
「ん?何?祥子」
「これからも末永くよろしくお願いします」
祥子はそう言って、頭を下げた
「祥子……こちらこそ。よろしくお願いします。幸せになろうね」
「はい」
出会ってまだ半年
お互いのことは、まだ知らないことの方が多いと思う
やっとスタートラインに立ったばかりだ
でも、そんなことはどうでもいいと思えるくらい、これからの2人で一緒に過ごす日々が楽しみでしょうがなかった
祥子さんとはなかなか会えない日が続いていた
電話やメールは欠かさずしていたが、やっぱり会いたかった
新婚旅行に行くにも、なんとか休みをもぎ取ったが、3泊4日しかとれなかったのに
「それなら京都に行きたいです!」
と言ってくれたので、かなりいい旅館を予約することにした
そうして、やっと会えたのは結婚式の1ヶ月前だった
仕事が忙しいので、最近外食ばかりだと言ったら
「じゃ、慎一郎さんのお家でご飯作りましょうか?外食ばかりじゃ体に悪いし……私の料理でよければですけど……多めに作って、ストックしときましょう」
と、願ってもないことを言ってくれたので、その言葉に甘えることにした
彼女のアパートまで迎えに行って、買い物しながら自分ののマンションに戻った
新居は会社まで徒歩10分程度の場所に新築マンションが建ったのでそこに住むことにした
そのマンションから、彼女が勤めている会社まで1時間近くかかるからと、彼女は躊躇いもなく会社を辞めた
専業主婦になることを望んでいたわけではなかったが
「慎一郎さんが仕事から帰って来たときに『お帰りなさい』て言いたいから……慎一郎さん、いつも私に言ってくれるでしょ?だから、お返しです」
と、こんな事を好きな人から言われて、喜ばない男がいたら教えてほしいくらいだ
多分電話じゃなかったら、息も出来ないくらい抱きしめていたに違いない
マンションに着いて、彼女は早速料理にとりかかった
僕は、引越しの荷造りがなかなか出来ないでいたので、彼女には悪いがそっちに専念させてもらうことにした
荷造りをしている最中、楽しそうに料理をしている彼女を見ていると、今日は彼女を帰したくないと思ってしまった
もう結婚式まで、会えそうにないのからというのと、男として彼女を抱きたいと思ったのだ
次の日は日曜日だったが、まだ仕事が残っていて、出勤するつもりだった
でも、どうしても我慢できず彼女に気付かれないように寝室から部下の相川に電話をかけた
「部長?どうしたんですか?今日は婚約者の方と久しぶりに会うから、絶対連絡してくるなって言ってたのに、そっちからかけてくるなんて……」
相川は休日出勤していた
今忙しいのは、分かってはいたが、どうしようもなかった
「相川悪いが、明日会社に行かないとダメかな?」
「え?いや、どうしたんですか?……あぁ、婚約者の方と過ごしたいんですね」
「ああ、すまない」
「……しょうがないですね。急ぎの書類は自宅の方にメールしておきます。絶対目を通しておいてください。月曜日のKカンパニーのプレゼンの資料ですから」
「分かった。悪いな相川。今度埋め合わせするから」
「期待しときます。結婚式まで、もう会えないんでしょ?思いっきりいちゃついてください。それじゃ、月曜日に」
電話を切ってほっとしていると、祥子さんが部屋のドアから顔を覗かせていた
「料理大体出来たから、荷造り手伝おうと思ったんですけど……もしかして、仕事の電話でした?」
これから会社に行ってしまうと思ったのか、ものすごく悲しそうな顔をさせてしまった
そんな顔をさせたくないのに……
慰めるように祥子さんを優しく抱きしめた
「違うんだ祥子さん。明日も休んでいいか?って部下に電話してただけだよ」
「明日?」
「ねえ、祥子さん。今日は家に泊まって行かない?」
「……え?」
「もう結婚式まで会えそうもないんだ」
「そうでしたね」
「ごめん、結婚するまで我慢出来そうにない」
祥子さんの体が少し震えたが、気付かないふりをした
「……明日、会社には?」
「行かなくてもよくなったんだ……無理強いはしな……」
僕の背中に祥子さんの手がゆっくりまわって、僕の服を握りしめた
僕は祥子さんを強く抱きしめ、ベットに押し倒して、息が出来ないくらい激しいキスをした
唇が離れて祥子さんを見つめた
瞳が潤んでいて、それがまた僕の気持ちを高ぶらせた
そして、思わず聞いたのだ
「祥子さん、僕は君との家族が欲しいと思ってる。だから、避妊はしないけど、君はそれでいい?」
また、考えるより先に口が動いた
こんな状況でこんなこと聞くなんて、自分でも信じられなかった
でも、祥子さんは優しく微笑んで僕を抱きしめてくれた
僕は祥子さんの首に顔を埋めて涙をこらえるので精一杯だった
その時初めて気がついた
僕は温かい家族が欲しかったのだと
中学1年生の時に両親が離婚して、うちは普通じゃないとどこかで思っていた
だから今、祥子さんと一緒にずっと欲しかった家族を作る事が出来る……
結婚に夢も希望も持ち合わせていなかった僕に祥子さんはそれを与えてくれた
「祥子、ありがとう。絶対に幸せにするから」
そう言って、祥子を初めて抱いた
本当に愛している人と抱き合うと言うことは、本当に幸せで満たされることだと初めて知った
一度抱き合ったあと、一緒にシャワーを浴びて、ちょっと遅い晩御飯を食べた
祥子の手料理は予想以上に美味しくて、結婚したらこの料理がいつも食べられるのかと思うと、嬉しくなった
そして夜はまた抱き合って、次の日はまだ終わってなかった荷造りを2人でして、いっぱいしゃべって、笑って、楽しく過ごした
それから結婚式までの間は、僕は新居に引越し、祥子は
「式までは母と一緒にいたいと思って」
とアパートを引き払って、実家で生活していた
時々、僕の父にも会いにいっているようで
「本当にいい子だなぁ。よかったなぁ慎一郎」
と電話でしみじみ言っていた
そして、結婚式当日
初めてウェディングドレス姿の祥子を見た
本当に綺麗だったので、思わず息を飲んだ
「慎一郎さん。タキシードものすごく似合ってる」
「祥子も似合ってるよ。ものすごく綺麗だ」
「ありがとう。……ねえ慎一郎さん?」
「ん?何?祥子」
「これからも末永くよろしくお願いします」
祥子はそう言って、頭を下げた
「祥子……こちらこそ。よろしくお願いします。幸せになろうね」
「はい」
出会ってまだ半年
お互いのことは、まだ知らないことの方が多いと思う
やっとスタートラインに立ったばかりだ
でも、そんなことはどうでもいいと思えるくらい、これからの2人で一緒に過ごす日々が楽しみでしょうがなかった