闇にのまれた光
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ガチャンッ
閉められたドアで、私は静かに悲鳴をあげた。
誰かに届いて欲しくて。
届いて欲しくなくて。

この辛い人生から逃げ出したい気分になって。

『……っふっ……くっ……っうぅっ……あぁぁっ……!ごめんなさいっ……!!!ごめんなさいっ……っ』

ごめんなさい。


一言しか出なかった。
伝えたい。……伝えられない。
レン……今どこにいるの。
生きているの?あの時分かれた瓜二つの君。

私の双子……お願いだから……無事で……っ

1人だけ、逃げさせた兄がいた。
その名はレン。
双子の片割れ。
兄のレン。

1人だけ、にげきったはず。

あぁ……会いたい……会いたいよレン……。
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