闇にのまれた光
虐風
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『レン、レン。』
レン「んー……」
『起きて。もう時間ないよ。』
レン「る……ぅ…………夢……?夢なら……何でもしていいよね……」

私に覆いかぶさってきたレンは、目を開けて少し笑った。
その笑顔は酷く綺麗で。

レン「月羽…ずっと会いたかったんだよ……月羽は優しいから…どこかで騙されて倒れてるんじゃないか……泣いてるんじゃないかって……不安だったんだよ…森の中でずっと月羽を探してた……

夢でも会いに来てくれて嬉しい……」

……今まで、森にいたんだね。
『レン。起きて。』
時間がないの。
レン「え……?っうわぁ?!?!る、月羽……え……?」

『おはよう。やっと起きたね。』
レン「な、何して……っ」
『寝ぼけてレンが私に覆いかぶさってきたの。ほら、早く準備して。時間ないよ。』

レン「え、あ……ごめん……。すぐ着替えるから待って」
『ん。』

……レンは何年間森の中にいたんだろう。どうして許してくれたんだろう。
どうしてまだ私を双子として、家族として大切に扱ってくれたんだろう。

『……はぁ。』
私も性格が変わった。
レンが私を変えてしまった。……昔のままでいなければ。

私は虐風だ。
復讐のために生きている。
忘れるな、月羽。
私は闇だ。光に馴染むな。
仮の仲間。仮の友人。いざとなれば捨てられる。


光の人間につけこまれるな。私の目的はただ一つ。

あいつへの復讐と、レンの幸福だけ。

レン「……る……る…………う………!…る…う……月羽!」

『っ、あ、ごめん……。用意できた?』
レン「うん。大丈夫?休む?」

『あぁ……いいよ。行こう。』

シュッ
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