失恋の傷には媚薬を


『ストーカーなんじゃ…』


「だな。俺らストーカー被害者だ」



笑って話すことじゃないのに…
少し呆れてしまうが
部長の心は傷ついていないのか心配になる



『亮平…は、大丈夫?』



「心配するな、過去の話だ。別に玲奈が今でも好きだと言ってきても今は楓がいる」



『…またそんな恥ずかしいことを、、』



恥ずかしさに負けて
視線を外すとグイッと引っ張られた

きゃっ、と
部長の腕の中で小さな悲鳴をあげてしまった



『恥ずかしいな、でも本音だ。楓といると普段恥ずかしいことも平気でやっちまう。これが惚れた弱みってやつなんだろうな』



抱きしめられた私の固くなった身体を
和らげようと優しく撫でてくれる

< 111 / 362 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop