失恋の傷には媚薬を


それがどんなに居心地いいか…
あんなに拒んでいた異性との空間
もう一生一人でいいと思っていた


だけど、この味を知ってしまった今
一人で生きて行く自信が崩れそうだ



「楓、ゆっくりでいいから…」



それが何を意味しているのか、
ゆっくりでいいから俺を信用して?
ゆっくりでいいから俺を好きになれ?


どちらにせよ
部長は私のペースに合わせてくれようとしている
無理をせず自分のペースで



こんなに好きでいてくれて
想ってくれている部長
正直、今、幸せを感じている

里奈が部長なら大丈夫だと
前に言っていた
本当に大丈夫な気がしてきた


撫でてくれる手が温かい
その温かさに導かれるように眠りについてしまった

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