失恋の傷には媚薬を
目が覚めると
そこは見慣れぬ天井
そしてふわふわな布団
私、ホテルに泊まってたかな?
そんな錯覚さえ覚えてしまう
どんなに思い出しても
ホテルに泊まった記憶がなく
あるのは部長とソファて話していたことだ
ガバッ、と起き上がると
ここが真実だと理解した
『ヤバっ…、部長のベット…?』
念のために自分を確認するが
服も着ているし
下着も…、うん、大丈夫
部長はどこ?
ベットから降り部屋を出ると廊下に出た
短い廊下はリビングへとつながっている
リビングは最小限の明かりがついていて
部屋の隅にあるデスクへ向かう部長の姿があった
時計を見ると短い針が10を超えている