失恋の傷には媚薬を


目が覚めると
そこは見慣れぬ天井
そしてふわふわな布団


私、ホテルに泊まってたかな?


そんな錯覚さえ覚えてしまう
どんなに思い出しても
ホテルに泊まった記憶がなく
あるのは部長とソファて話していたことだ



ガバッ、と起き上がると
ここが真実だと理解した



『ヤバっ…、部長のベット…?』


念のために自分を確認するが
服も着ているし
下着も…、うん、大丈夫

部長はどこ?
ベットから降り部屋を出ると廊下に出た
短い廊下はリビングへとつながっている

リビングは最小限の明かりがついていて
部屋の隅にあるデスクへ向かう部長の姿があった


時計を見ると短い針が10を超えている

< 113 / 362 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop