失恋の傷には媚薬を


外は昼間と違い、風が出始めていた
それに少し寒い
コートを着てきて正解だった



「駅出たらタクシー拾えよ」

「で、部屋に着いたら連絡な」

「寝る前も連絡してくれ」



駅までの道のり
部長は心配なのか
いくつもの約束事を言ってきた
それがもうおかしくて、
でも嬉しくも思う



『わかってるって、子供じゃないんだから』



「心配して何が悪いんだよ、」



少しふて腐れたような顔をする部長が
なんだか可愛く見えむず痒い
なんだか部長に触れたくなり腕に絡みついた

一瞬驚いか部長だったが
ニッコリ笑ってくれ
たわいもない話をしながら駅へ向かう

次はどこへ行こう、とか
久しぶりな感覚だった

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