失恋の傷には媚薬を
プロポーズ、
その言葉で嫌でも思い出された過去
そんなことなんていらない
プロポーズなんて必要ない
ただ、ただ、一緒にいてくれたら
それでいいんだ
私からは話していないが
多分、私の過去を耳にしているに違いない
それでも
少しだけ期待している自分もいた
「半信半疑で行きましょう。結婚できたらラッキーって軽く考えていきましょう」
里奈の言葉で少し楽になった
私みたいな女が結婚できたら
確かにラッキーだ
これ以上の事は望まない
望んで
また裏切られるのは勘弁だ
亮平さんは大丈夫と思っていても
やはり過去が邪魔してしまう
こればかりは、どうしようもない