失恋の傷には媚薬を



『どうしたの?怖い顔しちゃって』



珍しい里奈の顔付きに笑ってしまう
だが、里奈は真剣そのもの
冗談ではなく
本当に真剣な話だと察した私は
昼休みに屋上で話そう、と決めた



屋上には
ほとんど誰もこない
うってつけの場所だ



『どうしたの?何かあった?』



私はてっきり
里奈のことだと思っていた
前にいい感じの人がいると
嬉しそうに話していたから
何かあったのだと思っていたんだ




「先輩…、噂、ですが…、どんな理由があるかわかりません。もしかしたらそうじゃないかもしれない、いや、何かの間違いや勘違いかもしれないっ」


言いにくそうに
何かを言い聞かせてるみたいにいい里奈に
私の頭はクエッションだらけだ

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