失恋の傷には媚薬を
どうしてこんなことになったのか
わからないが
どう見てもいいことではない
殴られた亮平さんは
床に腰を下ろし手で口元を覆っている
『亮平さんっ!』
カーテンを開け
急いで亮平さんに駆け寄る
会いたくないと思っていたのに
勝手に身体が動いてしまう
『血が出てる、大丈夫?』
殴られた頬は赤くなっていた
早く冷やさないとと思い
保冷剤か何かないかと探そうとしたが
亮平さんが私を突き放す
『…亮平さん』
「必要ない、…悪い、」
そう言いながら立ち上がり
医務室から出て行ってしまった
残された私と周先生
周先生はバツが悪そうな顔をし
時間だから、送ると言って支度を始めた