失恋の傷には媚薬を
何もしない1日が始まった
何もしたくない
休んでいいと言われ
ムキになり出勤しようかと
昨日、寝る前まで思っていたが
起きてみると身体が重い
鉄の訛りが付いているのかと思うくらいだ
朝ごはんも食べず
ぼーっ、としてしまう
そんな時にインターホンが鳴った
だれ?
平日の昼間に…
もしかして宅急便?
いや、何も頼んでいない
玄関ドアののぞき穴から確認すると
大手宅配会社の作業服を着ている人だ
荷物を受け取ると
差し出し人は知った名前
“笹倉哲二”
私のお父さんだ
たまに、忘れた頃に
父は色々詰め込んで送ってくれる
引っ越しした事を父にだけ
メールで送っていた事を思い出した