失恋の傷には媚薬を



私には
もう亮平さんを元気にしてあげられるような
相手ではないのだろう
私が無理をさせているのだから…

それならいっそのこと
私から別れを告げたほうが
亮平さんを楽にしてあげられるんじゃないか、




「明日なんだけどさ、」



『今日、接待なんですよね。明日は出かけませんので、都合のいい時間に来てください』



失礼します、と
私は逃げるようにその場から立ち去った
余計な事を話したら
今しがたの決心が鈍りそうだし
亮平さんの前で泣くわけにはいかない
これ以上、困らせたくない


亮平さんは
私を助けてくれて
異性との距離を置いていた私に
大丈夫だと手を差し伸べてくれた
今の私があるのは
亮平さんのおかげだ

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