失恋の傷には媚薬を
満員のバスに揺られ30分
30分立ちっぱなしは辛い
でも乗り換えなしで1本で
会社へと通勤が出来るから楽だ
こんな日常も慣れたもので
もう7年だ
「楓先輩、おはようございます」
後ろから可愛い声が聞こえてきた
チラッと横をみると
バスに乗ってきたのは
後輩の桜田里奈だ
『里奈、おはよう』
隣に立った里奈から
女の子らしいフルーティな香りがする
背もあまり高くなく
私が男だったら
里奈みたいな子を彼女にしたいくらい
「先輩、今日のランチはどこ行きます?」
今からランチの話?と
普通なら説教をしているところだが
お局的な私を誘ってくれるのは里奈くらいだ