失恋の傷には媚薬を
ニッコリ笑った姉が
亮平さんの真向かいに座っている
亮平さんの隣にいる私になんて気にもせず
それを察して
お母さんが
お茶を入れる手伝いを姉に頼むが
完全無視をしている
それどころか
「楓、お母さんのお手伝い、お願いね」と
私は亮平さんの隣から動かなかった
早く帰りたい
なかなかお姉ちゃんが引き下がらず
良く無い雰囲気を亮平さんは
お茶を一杯飲んだら、と言ってくれた
私はダメだと亮平さんに訴えたが
ここでも亮平さんは大丈夫と言う
その言葉に少しの不安を持ちつつも
亮平さんに従うことにする
「あの大手企業の部長さんだなんて、凄いわ。将来有望なのね。羨ましいわ〜」