失恋の傷には媚薬を



「楓っ!」




亮平さんの車だが
お酒を飲んでしまったため
帰りは私が運転をして帰ることになり
運転席へと乗り込もうとした時
誰かが私を呼び止めた



振り返ると
それは忘れたくても忘れられなかった
私を長い間、苦しめた一人




『…健、ちゃん』



停めた車から私へと近づいてきた
なぜ健ちゃんがここにいるのか…
どうして?と頭を混乱させる



「楓っ、…元気、だった?」




なん年ぶりに見るだろう…元カレ
こんな形で再会するとは思いもよらなかった



「健一くん、なぜ君がっ!」



父も母も驚いている
その時、玄関ドアがあき
「私が呼んだの」と
姉が嬉しそうに言ってきた


< 208 / 362 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop