失恋の傷には媚薬を


「それって、楓は何一つ悪くないですよね」



悲劇のヒロインぶってる姉に
誰も声をかけたくなかった中
亮平さんは核心をついた



「そうやって、いつも楓のせいにしてきたワケ?」



「あの子が悪いのよ!いつも私のモノを奪って行くの!だから奪ってやったのよ」



「楓は何も奪っていない。ただ、姉であるあなたが好きでいただけ。あなたの元から去った人たちはあなたに興味がなくなったからだ。どこにもぶつけられない心の怒りや悲しみを何もしていない楓にぶつけていただけ…そのせいでどれだけ楓が辛い思いをしたか、あなたにはわかりますか?」



今まで泣いていた姉は
亮平さんを睨みつけていた
それは恐ろしい般若のような顔

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