失恋の傷には媚薬を
「まぁまぁイケメンだったな」
『…そうだね』
「でも、気に入らねー」
『…うん』
「久しぶりに会ったのか?」
『…うん』
今まで触れてこなかった元カレ、健ちゃんとの事を
亮平さんは聞いてきた
ずっと聞きたかった事だったのかもしれない
だから、ずっと言っていなかった過去を
亮平さんに話すことにした
隠していたわけじゃないが
ここまできたら話すしかない
もしかしたら
またお姉ちゃんが何か仕掛けてくるかもしれない
その不安はまだ拭えない
『亮平さん…、あのね、』
話しにくいが
少しずつ過去を話す
無理やり蓋をした過去は
癒えていない生々しい傷も一緒に出てきた