失恋の傷には媚薬を



翌朝、日が昇り切る前に
私たちはホテルを後にした



少し動揺していたつもりが
かなり動揺していたのだろう
考えてみれば
私の実家は遠くない
車を置いて帰ろうと思えば帰れる距離だ




「次は電車で行くか」



車だとお父さんに付き合えないから、と
笑ってくれる亮平さん
この人と出会えてよかった、と
本当に思えてしまう



あと数時間で
また忙しい毎日が始まる
もっと亮平さんと一緒にいたい
その思いが通じたのか
仕事帰りに寄ってくれると言ってくれた


私をアパートまで送り届けてくれた亮平さん
また後で、と自分のアパートへと帰って行った
これから着替えて会社へ行かなくてはならない
気持ちを切り替えようと思った矢先
姉からメールが届いた

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