失恋の傷には媚薬を



「…楓先輩?大丈夫、ですか?」



『…うん、大丈夫』



「いやいや、そんな風に見えませんよ!昨日のご対面で反対されたとか?」



里奈には
両親に亮平さんを紹介すると話していた
今の私を見て
それが失敗したのだと心配している

でも、そうじゃないんだ



『両親は喜んでくれたわ…』



じゃあ、どうして?と
聞いてきた時
私のところにやってきた亮平さん



「悪い、笹倉。これ大至急コピー15部。第3会議室に持ってきてくれるか」



『わかりました。15部、第3会議室ですね』



亮平さんは資料を託すと
すぐフロアから出て行った
急ぎだと思い
里奈にまた後で、と
コピー室へと急いだ

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