失恋の傷には媚薬を


こんな私を疲れているはずなのに
嫌な顔一つせず優しく包んでくれる

絶対に亮介さんを手放してはダメ
それだけはなんとしても…



『…もっと、、お願いっ』



「好きだ…っ、愛してる、」




たくさんのキスをし
たくさん触れてくれ
私の不安はこうして消されて行く

今までこんなに求め
身体が受け入れたことは一度もない
恥ずかしい話、発情期かと思うくらいだ


少しだけ
たった2週間
離れるだけ

だから大丈夫



そう自分に言い聞かせていた
2週間といっても
1週間は有休消化
その1週間で荷作りや片付けをすることになる



「毎日、連絡する。夜は何時になるかわからないなら、必ず朝、起きたらするから」


前ならむず痒くなることも
今では嬉しい限りだ


< 245 / 362 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop