失恋の傷には媚薬を
こんな形でまたお義姉さんに
会うとは思わなかった、
そう言い、手を合わせる愛しい人
こんな形で亮平さんと再会するとは思わなかった
本来なら
二人で幸せなスタートがきれたはず
どこまでも
私の邪魔をする姉が憎い
もう二度と会わないと言っても
この怒りをぶつけることさえできない
亮平さんは
私の隣にずっといてくれた
それもあって
親戚には私の婚約者だとすぐに広まった
弔問客にまぎれていた健ちゃんは
親戚中に知られた顔だったこともあり
ザワザワとしていたが
私も両親もそれどころではなかった
姉の葬儀は寂しいもの
通夜には会社の人たちがいたりしたが
さすがに告別式になると身内だけ
姉は友達と呼べるほでの人はいなかったのだろう