失恋の傷には媚薬を
「じゃ、待ってるから」
『うん、連絡するね』
優しく交わしたキス
それを幸せだと思う瞬間
これが永遠に続くと願う
初七日を終えたら
私は亮平さんと一緒に暮らせる
本来なら
あと数日だったが
姉のことがありバタバタ
有給消化中だったのが幸い
誰にも知られることなく
最後に挨拶をしに行くだけ
部屋の引き渡し日も決まっている
部屋を引き渡したら
1日だけ実家にお世話になり
初七日が終わった足で
亮平さんが待つ部屋へ向かう予定だ
大丈夫、順調に進んでいる
ふと、姉の遺影が目にとまる
笑っている姉
私の心は黒い
「お姉ちゃんの思い通りにはいかないわ。私は幸せなの。これからもっと幸せになるのよ」