失恋の傷には媚薬を
キラキラと輝く純白なドレス
着てみたい、
亮平さんとなら、と
思ってしまう
『私にはもったいないな』
「勿体無い?何言ってるんだよ」
亮平さんは笑いながら
近くにいたスタッフに話しかけていた
どうやらドレスの試着ができるらしい
亮平さんの勧めで
私は亮平さんが選んでくれた
ウエディングドレスを着ることになった
試着室に通された私の目の前には
全身が見える大きな鏡が一面
映っている私の顔は
ちっとも嬉しそうじゃない
着せられたウエディングドレスも
私が着るとさっきまでのキラキラがない
亮平さんに見せる前に脱いでしまいたくなった
けど、そんな事が許されるはずもなく
カーテンが開いた途端
亮平さんは試着室へ入ってきた