失恋の傷には媚薬を
『どうかな?』
困惑と恥ずかしさもあり
亮平さんに言葉を求める
「…綺麗だ、よく似合っている」
亮平さんは私を抱きしめてきた
私もその場にいたスタッフも驚いてしまう
『り、亮平さんっ、人が見てるよっ、』
真っ赤な顔をした私が鏡に映る
その場にいたスタッフは
試着室からにこやかな顔で出て行ってしまった
「…あ、すまん」
我に返り
手を緩めてくれた亮平さんは
とても嬉しそうだ
そんな顔を見ると
自然と口元が緩んでしまう
やっぱり、
私は亮平さんが好き
再確認してしまった亮平さんへの気持ち
この気持ちは揺るぎない
『好き』
そう呟いた私は
亮平さんにキスをした