失恋の傷には媚薬を
「鍵は紛失したと?」
『はい、なので昨日は帰っていません』
「その手の鍵は?」
『大家さんに連絡して…これはスペアです』
「何か盗まれたり、とかありますか?」
『…下着と、写真が何枚か、』
すぐ横峰部長が警察を呼んでくれた
目の前で何が起こっているか
飲み込むのに時間がかかった
頭の中で
なんで?どうして?
そんなことばかり考えていた
「物盗りか…」
テレビの横に飾ってあった
数個の写真たてが
無残にも写真が抜き取られ
お気に入りの下着数着が見当たらない
結局、何か証拠があるとか
犯行に心当たりがなく
ここら辺の見回りを強化するとだけ
警察の人達は言って帰っていった