失恋の傷には媚薬を
勝手すぎ…
手紙に書くなら
面と向かって言ってよ…
「預かってた。楓が迷ってたら渡してくれって」
迷ってたら?
「自分だけが幸せになっていいのか、て悩んでるような気がしたんだ。今になってわかった事もあったし…、詩織なりに考えて行動したんだろうけど、それが楓を傷つけた。自分が嫌われてもいいから楓を守りたかったんだろうな」
その言葉に
何が引っかかっていたのかわかった
今まで全て姉が悪いと思っていた
でも、今は違う
悪いのは…姉じゃない
『…私、幸せになるよ。お姉ちゃんの分まで。二人分、幸せにできる?』
「任せろ」
にっこり笑った亮平さん
涙を拭ってくれた温かい手
やっと、本心で大丈夫だと思えた
fin。