girls

「どこかに素敵な王子さまが転がってないかな」

我ながらアホらしい発言。少し苦笑。

裏方の仕事は楽しい。一日一日、頑張った事が
綺麗に燃えていく。役者や音響さんと関わる事も
とても楽しいし刺激的。
ただ忙しいあまりに出会いがない、出会う時間も無い。
現に今勤めている製作会社アートプロジェクトの7割は
独身、貴族。私もその一人なのだ。

まあまだ25歳、働き盛り。バリバリいくぞー、と
思ってる、が!

されど、やっぱり25歳なのよ。

友達の中にも結婚しました!の報告がチラホラ上がってきている。勿論めちゃくちゃ嬉しいけど!
自分の事になるとちょっとだけ焦る気持ちもある。

本気で結婚したいんだったら、今すぐ婚カツ行けって
話かもしれないけど。仕事はしたい、どちらかと言うと
まだ「恋」したいたいお年頃なんだと私は私を肯定する。

なんで今日はこんな事考えちゃうのかな。
やっぱり暑いから?夏が終わるから?
肩に下げたブルーの鞄がなんだか重く感じる。

少し伸びをして青の信号を渡る。

帰りにスーパーで買い物して帰ろう!

その時、ラインが音をたてて鳴った。

宛先を見る、読み上げてもう一度見返す。

【菊川 晴斗】

【すみれちゃんへ 突然ですが付き合ってください】


「どういう事だろう、、」

照れるより、喜ぶより先に疑問系。

私と夏の終わりのお話。
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